コクーン歌舞伎『三人吉三』

コクーン歌舞伎三人吉三
作:河竹黙阿弥 演出:串田和美
出演:中村勘三郎 中村福助 中村橋之助 中村勘太郎 中村七之助 片岡亀蔵 笹野高史
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cocoon/lineup/shosai_07_kabuki8.html

初めての歌舞伎です。でもコクーン歌舞伎だから、正式には、って変だけど、そういう意味ではアレですね。(…汲み取ってください。ボキャ貧。)とにかく素晴らしかった。歌舞伎を見慣れてる人がこれにどういう評価を下すのかはわからないけど、とにかく生まれた時からそこに立つことを決められている人たちの、その筋の通った運命とそれにきっちり乗って生きている人たちの、その姿が素晴らしかった。いくら芝居の世界に入るのが早くたって、お腹の中に命が芽生え、男子だったと同時に決定されている人たちに敵うわけがない。そういうものにもゾクゾクしました。
コクーン歌舞伎は自由だなぁw。と歌舞伎を知らなくてもわかるのね。いきなりマジ犬が登場したり、イスをつぶした客席の客の間を無理矢理歩いたり、ギターの音が流れたり、英語でしゃべってみたり、ギャグが出たり。これはとっつきやすいのもわかります。ブフー!って笑っちゃうとこ多かった!
とにかく十三郎(勘太郎)とおとせちゃん(七之助カップルのかわいいこと!最終的には悲しい運命になるけれど、それまでの二人はたまんないほどかわいかった。特におとせちゃんには私だってホの字です。かわいすぎた。
そして大詰。体が震えてしょうがなかった。三人の吉三。今までの因果の終結。それがただ真っ白な舞台、ものすごい雪の中で。「因果」というたった二文字で表すには足りない気がする、それほどに因果に因果を重ねたものの落とし前。それを串田さんの素晴らしい演出で、あの終わり方。物凄い。スタオベがすごかった。私も全身全霊を込めて拍手した。そしてそれに応える演者たち。最後は橋之助さんなんか雪をいっぱい抱えてドビャー!って客席にまいてはしゃいでた。日本に生まれてよかったなぁ。